耐震 筋かい金物について考える

 

家を作るときはいろいろな金物を使用しています。地震に耐えるための筋かいにも端部に金物が使われています。

先日、建築士会の集まりで、雑談中でのことでした。

「筋かい金物で端部に止める金物は、引張力に対し筋かいの端部が裂けやすい」

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「その点、端部からずらして付ける金物のほうが引張力に対し、筋かいが裂けにくいのでは」と。

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なるほどだと思いました。

というのも家の土台には柱が接するところは「ほぞ」という加工します。

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ほぞは土台側には穴を掘り、柱側には土台に刺さる様に凸加工をします。

そして家の出隅部では柱が角に立つため、土台ギリギリでほぞ穴加工をすることとなり、建て方で柱を入れる際、土台に割れが生じることがあるため、土台の端部を伸ばして作ることもあります。

ここからいえる事は、無理な力がかかったとき、端部の部分は割れや亀裂が生じやすいのだと。

現在、金物のメーカーは普通に端部に納まる金物を販売していますので考えすぎかもしれませんが、納まりに問題がないところには今後はできるだけ端部から離した筋かい金物を使おうと思いました。


船橋市T様 耐震改修工事 LDK編

引き続き船橋市のT様 耐震補強工事のご紹介です。

こちらは以前はリビングとして使用していて、和室6帖が隣接しているお部屋でした。

このリビングにキッチンを配置し、和室もつなげてLDKという計画を立てました。

また、耐震補強工事も極力新LDKの部屋で済ませるように計画しました。

そのため、在宅でのリフォームでしたが、お客様にとって精神的に楽なリフォームにもつながりました。

旧リビングのお部屋です。

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旧リビングをキッチンとダイニングへと変更しました。

そして、お客様のご要望の一つでもあるキッチンは対面式に。

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弊社のオリジナルである、カウンター下に収納を作りました。

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実は、LDKが完成しだい、旧キッチンの部屋の工事でしたので、完成写真はこのぐらいしか取れませんでした。

しかし、先ほども書きましたが、キッチンを別な場所に移動したため、今までのキッチンはLDKが完成してから解体することとなり、結果的にリフォーム時にキッチンがないということがありませんでしたので、食事や後片付け等に関しても精神面で我慢するということが減り、お客様にも喜ばれました。


船橋市T様 耐震改修工事 寝室編

今年の秋に工事をさせていただきました、船橋市のT様 耐震補強工事のご紹介です。お話は去年から始まり、船橋市の助成金を利用してとのご希望でしたので、平成29年度分の助成金が決定した後、動き出した案件です。

船橋市の助成金は満額の70万円が決定し、その他、所得税の控除及び固定資産税の減額で合計100万円程度の恩恵を受けられました。

それでは工事前と後の写真をご覧ください。

まずは耐震補強をしなかったお部屋です。

もともとはダイニングキッチンとして使用していたお部屋ですが、奥様専用の寝室に変更しました。

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キッチンがあったところはウォークインクローゼットにし、あえて扉はつけませんでした。

床材にもこだわりました。

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遠くから見るとわかりませんが、ランダムに柄物を入れています。
この床材はフロアータイルでアンティーク柄になります。表面の凹凸感がとても良い感じを醸し出している商品です。

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上の写真はベットを置き、ベット脇には小さなサイドテーブルを置く計画にしました。

当初、壁につく照明や左側の低いところに取付けたスイッチにはあまり理解を示してはくれませんでしたが、ある程度形になってきたときに、「なるほど、こうなるのね!」と喜んでいただけました。

また、この写真の反対側の壁にはテレビが壁に付けられるように壁を補強し、テレビ配線等もテレビの設置高さに変更しました。

次回はキッチンを移設したお部屋のご紹介です。


昭和56年6月(1981年6月)に建築された建物の耐震性は大丈夫か?

耐震診断をしていて思ったのですが、勘違いをされている方が多くいらっしゃいましたので、改めてこの場で書かさせていただきます。

まず、新耐震基準が施工されたのは1981年(昭和56年)6月1日になります。

よって、この日以降に建築確認を受けた建物が新耐震基準で作られたということです。

ここから言えることは

新耐震基準で施工された一般の戸建て住宅は、完成時期が早くても1981年9月ごろではないかと推測ができます。

マンションであれば通常1年程度の期間が必要になりますので、1982年の中ごろになると推測できます。

そのため、旧耐震基準で建てられた建物なのかどうかを判断するのは1981年5月までに登記したものだからということではなく、早くとも1981年9月以降の登記でなければ新耐震基準で建てられたとは言い難いということです。

マンションでは一概に1982年に建てられたものでも新耐震基準で建てられたかどうかはわかりません。

以上のことから、1981年1982年さらに1983年までの建物に関しては、しっかりと調べないと新耐震基準で建てられたかどうか判別ができないということです。

特にこれからマンションや戸建てを購入することを考えている方は気を付けるポイントにもなります。


悩みを解決し、想いを共有することが求められている

先ほど、10月中旬ごろに相談があった方から連絡が入りました。(高齢者の女性で戸建で一人暮らしの方で、家の耐震性が気になり、相談したいということでお話をさせて頂きました。)

その時は、すでに他社にて外壁の塗り替えの話が進んでおり、どうせやるなら耐震補強もという考えをしていたようですが、一般的な費用を伝えると考え込んでしまいました。

耐震の相談の多くは家が大地震で耐えるのかどうか?ということですが、費用を伝えると多くの方が補強まで行かないのが現状です。

地震で家が倒れるかもしれないという不安は、お金というものの価値と比較すると小さくなってしまう(またはかすんでしまう)ようです。

確かにお金は大切なものであります。しかし、お金自体に価値がないということを理解しなければいけないと思います。

お金という道具で幸せを手に入れる。これこそが一番だということを父が亡くなった時に教えてくれました。

今回のお電話では、やはり耐震性が気になってしまい、もう一度相談したいとのこと。

明日、お客様が求めているものをもう一度再認識し、最良の提案をさせて頂こうと思います。


船橋市の耐震診断、耐震改修の助成金事業がスタート

船橋市では本年度の耐震診断、耐震改修の助成事業が4/22(金)からスタートとなりました。

今回注目すべき点は、

●耐震診断事業助成金 上限4万円 から 6万円 にアップ
http://www.city.funabashi.lg.jp/machi/juutaku/006/p010206_d/fil/panf.pdf
●耐震改修所行助成金 上限50万円 から 70万円にアップ
http://www.city.funabashi.lg.jp/machi/juutaku/006/p010088_d/fil/mokuzoupanhu.pdf

になります。

ちなみに耐震診断は建築士会船橋市支部または建築士事務所協会船橋支部の会員でなければ助成金が受けられません。建築士会から依頼をする耐震診断であれば、30坪までであれば 基本業務費用は税込97,200円になりますが、今回の助成金が上限6万円ですので、実際の負担額は37,200円になります。

私が所属している建築士会船橋支部では、耐震診断に力を入れている支部でもあります。そのため、現地診断は責任を持ったメンバーがお伺いしますが、最終的なチェックを建築士会メンバーである構造設計の方々と行うため、建築士個々のばらつきが少なくなるといったメリットがあります。

この制度を利用するためには、船橋駅前にあるフェイス5階で開催する住宅相談に来ていただくことが前提になります。

近々では5/14(土)、5/22(日)の13:00~16:00までとなっております。

ぜひこの機会を活用していただければと思います。


耐震補強の考え方について考える

「耐震補強」は国も推し進めている国策でもあり、きわめて重要なことだと認識しなければならない時期に来たと思います。

しかし、多くの場合、国の基準を満たす補強はそれなりに費用が掛かり、結果として補強を断念するといったことになっています。

そのため、以前にも記載したように「減災」という考え方で補強を考えてみてもよいのではないでしょうか?

耐震補強の基本は耐力を上げることです。そしてそれを実現するために、筋交いや合板を入れた壁にすることで耐力を上げていきます。しかし、他にもやり方があり、その一つは、屋根の軽量化です。

また、1階の倒壊の原因の一つにほぞ抜けがあります。ほぞ抜けとは、土台と柱が離れて外れてしまい、結果的に倒壊してしまうことが確認されています。

ここから言えるのが、最低でもほぞが抜けないような配慮をすることで耐震性は増します。

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いずれにしても、リフォームをおこなった際には、その周辺部分だけでも指定以上の金物等で継手の部分を緊結しておくことがベターです。


建物のエキスパンションで思うこと

熊本地震での報道でマンションのエキスパンションについていろいろな記事が出ています。その多くは、専門家が反論し、「壊れて問題はない」ということを多くの人が言っています。しかし、私はそうは思っていません。

壊れていいのはあくまでエキスパンション自体であること。躯体に被害を及ぼさないということが前提です。しかし、写真で判断する限りでは、手摺部分のコンクリートが破損しています。それも上階に行くにしたがってひどくなっているようです。

また、耐震工学の第一人者でもある和田氏(東京工業大学名誉教授)も被災地に入り、以下のような記事を書いていました。

「L字型に配置された中高層マンションの場合、L字の2つの辺の間に縦方向の隙間(エキスパンション・ジョイント)を設けるが、この部分の設計施工に問題があり、大きく破壊したところがある。設計上の配慮が足りていなかったことが残念である。」

実際のところ、現地を見ていないので結論的なことは言えませんが、少なくとも一般住民が不安になっていることは事実であり、設計者や施工者は、その精神面においても配慮する必要があると思っています。

 


震災で再確認した事は1階よりも2階のほうがより安全

耐震診断の勉強会を重ねていくうちに、構造の先生からよく言われていたことがありました。それは地震で木造の家が倒壊する場合、パターンがあるということ。

過去の事例を見てきた中で、木造の2階のみがつぶれて1階が大丈夫な建物は見たことが無いそうです。多くの木造の建物は1階がつぶれる、もしくは1階、2階ともにつぶれてしまうパターンです。(だから、減災という考え方での耐震補強では2階の補強を考慮しないという考え方に繋がります)

また、今回の被災状況を見ていても地震被害の初期は「建物に押しつぶされる」、「家具に押しつぶされる」という被害が多くを占めています。

ここから言えることは、どうしても家で過ごさなくてはならない場合、1階よりも2階で過ごすこと。そして家具の置き方や向き、重ねて転倒防止策をすることが重要なポイントだといえます。

また、2階に本をびっしりと収納している、かなり重いものを置いているという世帯は、少しでも2階の重量を軽くすることが耐震ではプラスに働きます。なので、重いもの等を収納するなら2階ではなく1階のほうがベターということになります。

 


減災を取り入れた耐震補強例

実際に減災を取り入れた耐震補強をご紹介いたします。

今回ご紹介するのは昨年市川工業高校の建築科の一部の生徒が無料で行っている「町内まるごと耐震診断」と呼ぶ、木造家屋の現場学習兼ボランティア活動を行っている活動の延長線で、耐震診断結果が良くない家を実際に補強したという案件です。

市川市では他の市よりもかなり個人の家の耐震補強に力を入れており、「あんしん住宅制度」という制度を設けている市でもあります。この制度を使うことで、最大30万円の助成金が出るため、経済的な負担を和らげることで、多くの人たちに利用してもらう事を目的としています。

また、最大の魅力は国が定める基準に達していなくても適用できるという点がありがたく、本当に助かっている制度でもあります。

 

それでは、市川市新田のK様邸を例にとって説明していきます。

K様邸は診断時に1階においてはX方向が0.43、Y方向が0.52という診断結果でした。この状態を市川工業高校の八島先生アドバイスの元X方向を0.72、Y方向を0.93にする案を提案し、補強したということです。

実際の工事内容は以下の通りです。

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工事前の状況です。

 

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壁をはがし、筋交いを入れて強くしていきます。

 

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金物でしっかりと固定していきます。ここが各社の腕の見せ所でもあります。なぜなら、いかに他の所を壊さず、指定の金物を付けるかが問われているからなんです。

 

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石膏ボードも耐力に含まれます。

ここで大事なのが、既定のピッチでビス止めすることです。

 

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最後にクロスを張って終了です。

 

実際にはもう一カ所耐力壁を作りましたので、K様邸は3箇所の耐力壁を新設しました。また、この工事は居間のみで行う工事としました。

費用はリフォーム費用も入れて約96万円でしたが、助成金が30万円出ましたので、実際にかかった費用は66万円程度になりました。