先日、弊社のお客様から、相続で引き継いだご実家の売却についてご相談をいただきました。
お客様は「売却するなら5年以上所有してから」と考えておられました。その理由は、不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、所有期間が5年を超えると「長期譲渡所得」となり、税率が約20%になるためです。
なお、この「5年超」の判定は売却日時点ではなく、売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えているかどうかで判断されます。
実際に今回のケースでも譲渡所得税が発生しましたが、もし別の制度を活用できていれば、税負担を大幅に軽減できた可能性がありました。
多くの方は「不動産は5年以上所有してから売却した方が有利」ということをご存じですが、「空き家の3,000万円特別控除」については意外と知られていません。
この制度は、親などから相続した空き家を売却した際に、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例です。条件を満たせば、譲渡所得税が非課税になるケースもあります。
主な適用要件は次のとおりです。
・相続した家が被相続人(亡くなった方)の居住用であったこと
・昭和56年(1981年)5月31日以前に建築された家屋であること
・マンションなどの区分所有建物ではないこと
・相続後に賃貸などへ利用していないこと
・売却代金が1億円以下であること
・耐震改修を行う、または更地にして売却するなど一定の要件を満たすこと
・相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
ここで特に注意したいのが、最後の「売却期限」です。
税率を下げるために「5年以上所有してから売却しよう」と考えているうちに、この特例の適用期限である「相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日」を過ぎてしまうことがあります。
その結果、本来受けられたはずの3,000万円特別控除が使えなくなり、かえって税負担が大きくなってしまう可能性があります。
相続した空き家を売却する際は、「5年以上所有すること」だけではなく、「3,000万円特別控除の期限内に売却できるか」を必ず確認しましょう。
売却のタイミングによって、納める税金が大きく変わることがあります。相続した不動産の売却をお考えの方は、ぜひ早めにご相談ください。





