建物のエキスパンションで思うこと


熊本地震での報道でマンションのエキスパンションについていろいろな記事が出ています。その多くは、専門家が反論し、「壊れて問題はない」ということを多くの人が言っています。しかし、私はそうは思っていません。

壊れていいのはあくまでエキスパンション自体であること。躯体に被害を及ぼさないということが前提です。しかし、写真で判断する限りでは、手摺部分のコンクリートが破損しています。それも上階に行くにしたがってひどくなっているようです。

また、耐震工学の第一人者でもある和田氏(東京工業大学名誉教授)も被災地に入り、以下のような記事を書いていました。

「L字型に配置された中高層マンションの場合、L字の2つの辺の間に縦方向の隙間(エキスパンション・ジョイント)を設けるが、この部分の設計施工に問題があり、大きく破壊したところがある。設計上の配慮が足りていなかったことが残念である。」

実際のところ、現地を見ていないので結論的なことは言えませんが、少なくとも一般住民が不安になっていることは事実であり、設計者や施工者は、その精神面においても配慮する必要があると思っています。

 

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家はその時々で変えていくこともあります。


先日、2×4の建物に住んでいる方から相談がありました。大手のハウスメーカーで建てた2階建てで、1階はご両親。2階がご夫婦の2世帯という間取りです。

2階のキッチンは独立型で、リビングには一度廊下に出て、もう一度ドアを開けて入るスタイル。これをLDKの一間に変更するため、間仕切り壁を撤去し、キッチンを対面にしたいとのご相談です。

図面を見ると、撤去したい壁が耐力壁となっており、基本的には撤去できない構造になっていましたので、その事を告げると肩をがっくりと落されたようでした。一応、「建てたハウスメーカーにも聞いてみたらいかがでしょうか?」とアドバイスをしたところ、営業マンがやってきて、図面をコピーして数日後、「間仕切りを取ることはできない」との返事っだったそうです。

弊社では2×4工法は取り入れていませんが、この工法はすごく合理的なんです。基礎も在来と比べると、すごく簡略化されています。そして家自体が強いという特徴を持っています。しかしそのため、大きな間仕切りの変更ができないといったことにもつながります。(決してできないというわけでもないのですが、不向きと思っていただければと思います)

住んでいる方も、そのような話をしていくと、当時家を作る際、2×4とはどのような建物なのか理解していなかったし、大掛かりなリフォームをするなど考えなかったと漏らしていました。

私もこのような仕事をさせて頂き、それなりの経験もさせて頂きましたが、住まいとはその時々で変えていくこともあるという前提で建てるべきだと思いっています。そのため、大手のハウスメーカーの家は、私から言えば商品であり、気に入れば問題はないですが、オリジナルの商品を改造をするということは、無理が生じる可能性があるということです。

たとえば車。トヨタのクラウンを買ったとします。しかし、途中で家族の状況が変わり、子どもやご両親等が一緒に住むことで大人数が乗れるワンボックスに変更したい時、クラウンを改造するより、新たなワンボックスを買った方が金銭的に考えても得策です。

しかし、家は5年や10年で交換とはいかないのが普通。そのため、その家をその時代に合わせて変化させていくことが必要になることは想像がつくと思います。

決してハウスメーカーの家がダメだとか、2×4の家がダメだとかではなく、「家を商品として考える」のか、「家は家族と共に育てていく」のかの違いがあることを認識したうえで選ぶべきではないかと思います。

 

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震災で再確認した事は1階よりも2階のほうがより安全


耐震診断の勉強会を重ねていくうちに、構造の先生からよく言われていたことがありました。それは地震で木造の家が倒壊する場合、パターンがあるということ。

過去の事例を見てきた中で、木造の2階のみがつぶれて1階が大丈夫な建物は見たことが無いそうです。多くの木造の建物は1階がつぶれる、もしくは1階、2階ともにつぶれてしまうパターンです。(だから、減災という考え方での耐震補強では2階の補強を考慮しないという考え方に繋がります)

また、今回の被災状況を見ていても地震被害の初期は「建物に押しつぶされる」、「家具に押しつぶされる」という被害が多くを占めています。

ここから言えることは、どうしても家で過ごさなくてはならない場合、1階よりも2階で過ごすこと。そして家具の置き方や向き、重ねて転倒防止策をすることが重要なポイントだといえます。

また、2階に本をびっしりと収納している、かなり重いものを置いているという世帯は、少しでも2階の重量を軽くすることが耐震ではプラスに働きます。なので、重いもの等を収納するなら2階ではなく1階のほうがベターということになります。

 

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減災を取り入れた耐震補強例


実際に減災を取り入れた耐震補強をご紹介いたします。

今回ご紹介するのは昨年市川工業高校の建築科の一部の生徒が無料で行っている「町内まるごと耐震診断」と呼ぶ、木造家屋の現場学習兼ボランティア活動を行っている活動の延長線で、耐震診断結果が良くない家を実際に補強したという案件です。

市川市では他の市よりもかなり個人の家の耐震補強に力を入れており、「あんしん住宅制度」という制度を設けている市でもあります。この制度を使うことで、最大30万円の助成金が出るため、経済的な負担を和らげることで、多くの人たちに利用してもらう事を目的としています。

また、最大の魅力は国が定める基準に達していなくても適用できるという点がありがたく、本当に助かっている制度でもあります。

 

それでは、市川市新田のK様邸を例にとって説明していきます。

K様邸は診断時に1階においてはX方向が0.43、Y方向が0.52という診断結果でした。この状態を市川工業高校の八島先生アドバイスの元X方向を0.72、Y方向を0.93にする案を提案し、補強したということです。

実際の工事内容は以下の通りです。

2015-10-18 18.09.05

DSCN7362

工事前の状況です。

 

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壁をはがし、筋交いを入れて強くしていきます。

 

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金物でしっかりと固定していきます。ここが各社の腕の見せ所でもあります。なぜなら、いかに他の所を壊さず、指定の金物を付けるかが問われているからなんです。

 

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石膏ボードも耐力に含まれます。

ここで大事なのが、既定のピッチでビス止めすることです。

 

P1170968

最後にクロスを張って終了です。

 

実際にはもう一カ所耐力壁を作りましたので、K様邸は3箇所の耐力壁を新設しました。また、この工事は居間のみで行う工事としました。

費用はリフォーム費用も入れて約96万円でしたが、助成金が30万円出ましたので、実際にかかった費用は66万円程度になりました。

 

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耐震補強での減災とは?


耐震補強で「減災」という考え方を取り入れるということはどういうことなのか?

先ほども記載しましたが、国が定める耐震補強は震度6強の地震が来ても倒壊しないということが前提になっています。この震度6強という強さを力の大きさに変えて、それと同等の耐える力を家が持っている事が条件だとも言っています。

これをクリア―するためには、旧耐震で建てられている家の場合、耐震補強費で150万円程度から250万円程度の費用が掛かる結果も出ています。

また、耐震補強を行うとリフォームもしたくなるということもあり費用はさらに膨らんでいく傾向にあるため、そんなにも費用が掛かるなら、耐震補強を行わないということに繋がっていくようです。

「減災」とは、上記に記載したように、費用が高額になれば耐震補強をしないということから、費用を抑えた補強ということになります。目的も「命を守る」というようにある意味特化した補強ともいえるかもしれません。

そのため、想定している地震の70%の耐力があれば、倒壊は免れるという調査結果もあり、減災はその数値を目指した補強になります。

費用も、各家によりばらつきがありますが、多くは50~100万円前後で収まる耐震補強になります。

 

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