住まいの不具合は、やはり専門家でないとわからないものだと、改めて気づかされます。
先日友人宅に行くと、ブロックの門柱部にこすり傷があったり、アルミ製のフェンスが曲がっていたりしていました。
また別の日に知り合いのお店に行ったときは、店舗の屋根の破損や、樋(とい)の曲がりを指摘したこともありました。
視覚に入ってくるので、その都度不具合を指摘しています。
そんなことが何度もあるのです。
多くの方は、修理した方が良い不具合を発見できないか、不具合として見ることができないようです。
不具合を見つけることができない例は「雨どい」
樋(とい) の不具合で最も多いのは、軒樋(のきどい・のきとい)の曲がりや変形、桝(ます)のずれ、そしてジョイント部の破損です。
軒樋が曲がったり、変形していると軒樋から雨水がたれることがあります。
運悪くその下に自動販売機がある店舗の例ですが、雨が降ると自動販売機に雨が当たります。
結果として
- 雨音がうるさい
- 雨水がはねて困る
ということでした。
従業員の方が、苦肉の策で自動販売機の上に、ブルーシートを敷いていました。
雨どい不具合の実例写真
いかがですか?実際にこのような、修理に迷う程度の不具合を、そのままにしてはいませんか?
この雨どいの不具合は、それでも分かりやすい状態にまでなったものです。
もっと一般の方では分かりづらい不具合を、専門家ですと目視確認だけで、見つけることができます。
不具合を修理する?修理しない?判断はどこでしているのでしょうか
ここで専門家と一般の方の差が出てしまうところなのかな?と考えさせられます。
私(一級建築士)から見れば、ブルーシートを敷くよりも、修理をして根本的に解決をした方が、長期的な費用や近隣への影響なども解消されると考えます。
ところが一般の方からすると、「そんなことできるの」ということになるようです。友人に提案すると、大抵は驚かれることが多いのです。
はしごをかけて直すこと自体は10分程度です。
もちろん、破損等していればより時間もかかりますが、多くは変形を直すことで解決できます。
費用への不安が「修理する」という選択肢を遠のかせている
まず思いつかないということもあるのですが、もう一つ皆さんを心配させる要素は「修理費用」ではないでしょうか。
特に樋(とい)に関する不具合ですと、修理費用は火災保険が適用になるケースが多いため、ほぼ無償になることを覚えておいてください。
本音を言いますと、メンテナンス費用を抑え、永く安全で愉しく暮らすためには、目安として2年間隔で定期的に点検をし、火災保険を申請して修理していくことをお勧めしたいのです。
しかし昨今では、悪徳業者が増える一方です。
こういった意見を安易にお伝えすると、誤解を受ける可能性もあるような気がして、なかなかご提案できないのが現状です。